リフォームに限らず、新築においても言えることですが、何事にもメリハリは重要です。デザインにしても、予算の掛け方にしても。それが、全体のコスト・セーブに繋がります。
このリフォームでは、急ごしらえの自宅ということもあり、DIYも含めたコスト・セーブがされています。大工さんをはじめ、水道、電気、タイル、ほぼ材料支給という形でお願いしています。
更に、支給材料は、問屋からの直接仕入れや、ネット通販、ネットオークションなど、時間の許す限り探し求めました。
そして、メリハリ。それは、拘るところと、拘らなくて良いところの見極め(決断)です。どうしても譲れない所には、惜しみなく(と言っても限度はありますが)資金を注入!そうでも無いところは、まぁ、未来に託しつつ、必要最低限の内容にて収めてしまいます。
不思議なもので、そういう部分も、不都合が無い限り、後々も不満とはならないものです。そんなことよりも、拘った所への満足感に満たされることでしょう!
「沖の家」での唯一(唯二?)の贅沢は、中庭との空間的な繋がりを生み出す1間幅・1枚ガラスの木製建具2枚と、タンクレス・トイレでしょうか。この2点の存在感は、日々の生活の中で特に実感できるもので、大変満足しています。
また、我々はアンティーク好き、古いもの好き、手作り・味わい大好きなため、隙の無い完璧な仕上がりよりは、手仕事の痕跡やぬくもりを求めます。それは、専門職の技術ではなく、DIYで補える部分も多いということでもあり、ローコストへの最大の貢献かもしれません。
手に触れる部分。というのは、日々の生活の中で、よく目に付く所という意味なのですが、そういう部分に、ちょっとした工夫やデザインを施すと、「暮らしのなかのエッセンス」が生れます。
それは、そこに生活する人だけのアイデア、あるいは、その家だけのデザインであるべきで、前述のコストを掛けることとは関係のないものです。費用を掛けずとも、アイデアやデザインで「エッセンス」は創られると思っています。
しかし、これには熱意や努力が必要です。それによって、住まう人の念も入りますから(笑)
我々の仕事は、そういった「エッセンス」を創り出すお手伝いをする事だと思っています。
そうは言っても、「エッセンスってナニ?」って思われる方も多いと思いますので、「沖の家」のエッセンスを、一例として、少しずつご紹介して行きたいと思っています。